令和5年6月定例会 一般質問全文

6月23日に初登壇した令和5年6月定例会の一般質問全文を掲載します。

6月定例会一般質問に初登壇をしました。

初登壇ということでドキドキしましたが会派の先輩議員に支えられなから助言をいただき、無事に終えることかできました。

県議になったら必ず!!と思っていたことや、自分の原点である保育士問題や県立高校の定員内不合格の件など質問しました

県議になってまだ2ヶ月ですが皆さんの声をしっかり聞き、勉強していきます

以下は質問の全文になります。

目次

1 保育士について

人口減少社会の中、子育てについて様々な議論がなされています。その中で、子育てを支える保育士が不足し、大きな社会問題となっています。その原因である働く環境や処遇の改善が求められています。毎年多くの離職が発生し、保育士不足が加速しています。離職の理由については低賃金、長時間労働、人間関係、保護者対応などで、一人で精神的なストレスを抱えやすい状況や多忙さに見合わない待遇が離職につながるケースとして多いとされています。特に給与面は、保育士不足の改善すべき課題の一つであり、早急に解決しなければならない問題です。

保育士を対象として平成30年度に県が実施したアンケートによると、給与について不満足な理由として、持ち帰り残業が多い71.1%、他の職業と比較して少ない71.1%、責任の重さに見合ってない64,4%、勤務時間が長い40%となっています。2013年から2017年までの5年間における都道府県別の保育士の平均年収では本県は303.3万円で全国33位となっています。

私自身、25年間幼児教育に携わってきましたが、帰宅時間が遅い上に、持ち帰りの仕事も多く、家路について家事を終え、子どもが寝静まってから持ち帰りの仕事をこなす毎日でした。職場でも時間に余裕がなく息をつく暇がありません。休憩時間がゆっくりとれず、疲れを感じながら長い時間仕事をしていました。人手不足で自分の子どもとの時間や病気の対応がとれないこと、また子どもの行事と園の行事が重なると園行事が優先になるなど、自分の子どもを犠牲にしている辛い気持ちを押し殺しながら仕事をしてきました。

子どもが大好きで選んだ職業とその環境や処遇のはざまで苦しんでいる保育士は私だけではありません。県内、いや、全国にたくさんいます。

(1) キャリアアップ研修

一方、低賃金であることを理解しながらも保育士という夢に向かって頑張っている学生さんもたくさんいます。先日、保育園児だった子どもに会い、将来保育士になるために進学して頑張っていると聞き、その際に「どうか処遇改善をしてほしい」との切実な要望も受けました。改めて、保育士という職業は、若い子に夢を与えることができる素敵な仕事だと感じたと同時に、保育士の道を諦めることのないよう、保育士が働きやすい環境となるよう、仲間から現場の声を届けてほしいと声を託されています。子育て支援の考え方に、子育ての現場に携わる保育士にもしっかりと目を向けて頂きたいと思います。

ア 内容等

そこで処遇改善についてお伺いいたします。国ではキャリアアップ研修を実施し、保育士の処遇改善を図っていますが、研修を受講すること自体が大変な負担となっています。令和2年度からインターネットで受講できる℮ラーニングが始まりました。メリットは会場に足を運ばなくても自分の空いた時間に履修できることです。デメリットは受講期間が限られていることが多いことで、家庭に持ち帰るにも深夜や休日にかけての受講になるため体力がもちません。習得済みの学問的な話が多く、例えば危機管理や現場で抱える実態についての改善事例など、もっと現場で役立つ内容にしてほしいという要望を多く聞いています。保育士が現場で活かすことのできる内容となるような、℮ラーニングが受講しやすい期間となるようなキャリアアップ研修にしていただきたいですが、いかがでしょうか。また、これまで受講内容の選定や検証はどのように行われてきたのか、併せて子ども・福祉部長にお伺いします。(1)ア

イ 今後の運用

会場での集合研修の中には土日に実施されるものもあり、心や体を休め、自分の家族と向き合う大切な時間である休日を返上して受講することは保育士にとっても大きな負担です。また、受講後のグループディスカッションは現場の声をきける大変有意義な時間ですが、eラーニングでは参加できません。加えて、受講の規定では一度でも受講を逃してしまうと、その分野が無効になるとされています。園の行事や当日体調不良で受講できない場合、積み重ねた受講の時間がすべて無効化されるため、キャリアアップを図り、処遇を高めていきたい気持ちがあっても、受講を躊躇してしまう原因を生み出しています。このような負担を感じながら研修を受けなければ処遇改善がなされないということは理不尽だと感じます。集合研修を実施する時期の調整など今後のキャリアアップ研修の運用について改善をしていただきたいですが、子ども・福祉部長のご所見をお伺いします。(1)イ

(2) 人材確保

また、離職して違う職業についた人たちに話を聞けば、全く専門的な知識や技能が不要にもかかわらず、保育士と比べて給与が高く、大変だった保育士の仕事に戻る気持ちにはなれないという声も多く聞かれることから、一度離れると復帰することは難しいのではないかと思います。処遇とやりがいを秤にかけたくないが、生活を考えて悩みながら復帰できない状況をもう少し深刻に受け止めて、対策を打つ必要があると思いますが、保育士の人材確保に向け、離職の現状や潜在保育士の掘り起こしについてどのように認識され、今後どのように取り組まれていくのか、子ども・福祉部長のお考えをお聞かせください。(2)

2 新・ももたろう未来塾について

5年ぶりの開催となる「新・ももたろう未来塾」は、現在塾生を募集され、次世代リーダーの掘り起こしに力を入れられています。女性や若い人たちがリーダーになることが更に期待・歓迎される今、新・ももたろう未来塾の果たす役割はさらに大きなものになるのだと感じています。

今回の岡山県議会議員選挙でも女性の政治参加が増え、女性議員の割合が全国3位まで上がりました。兵庫県小野市では女性議員ゼロからその割合を43.8%へあげた取り組みが注目されています。この機運を高めた「おのウィメンズ・チャレンジ塾」では、エンパワーメントを図り、意思決定の場に参画する女性をめざそうという目的で開催されています。塾には、女性議員や女性市長を招き、議員を目指す講座を実施され、これまで塾生から6人が立候補し、そのうち5人が見事当選されています。

そして塾だけでなく、実際に女性が活躍できる場を整えるとして、自治会役員の女性登用で年最大20万円の助成金を支給するなどのインセンティブをつけ積極的な登用を促したそうです。助成事業終了後は女性役員の割合が6%から56%になったようです。このような事例からもわかるように、「人材を育成する」ことと「活躍できる場」を整えることの両輪を回すことで、成果を得ることができると考えます。

(1) 応募状況等

そこで、新・ももたろう未来塾の更なる発展や役割に期待を込めて質問させていただきます。5月19日からの募集ということですが、定員に対しどれくらいの人数が集まり、定員がオーバーした場合はどのように塾生を決めるのでしょうか?県民生活部長にお伺いします。(1)

(2) 年齢制限の見直し

現在は18歳から39歳までが募集の対象となっていますが、子育てが落ち着く世代こそ、新しいことに挑戦したり目を向けることができる年代だと思います。子育てしたからこそ身についた視点は、人口減少社会の中において新たな息吹をもたらせてくれると思いますので、年齢制限の見直しを図ってはいかがでしょうか?県民生活部長にお伺いします。(2)

(3) 講座内容

講義やワークショップが中心の塾ですが、実際に現場に出て学べることもたくさんあると思います。例えば、酪農や農業の体験型の実技研修や県の部局の課題をテーマに選ぶなど実践や座学を混ぜて、県主催ならではの特色を打ち出すことや岡山らしさを一段と押し出していくなど、講座のリフレッシュを図ってみてはと思いますが講座内容のブラッシュアップについて県民生活部長のご所見を伺います。(3)

(4) 今後の広報

現在、新・ももたろう未来塾の認知度がまだまだ低いように感じます。例えば、中学校や高校では課題解決型の授業の取り組みも行われ、更なる学びを深めたい生徒さんや学生さんもいらっしゃると思います。未来の塾生候補となる年代へ早めに認知していただくなど、より一層、新・ももたろう未来塾を盛り上げていただきたいですが、広報の今後の取り組みについてお考えを教えてください。県民生活部長にお伺いします。(4)

(5) 卒塾生へのフォローアップ

講師には塾の卒業生がおり、苦労話やコツなどを教えていただける醍醐味があると思います。卒業した塾生がしっかりと活躍できるような取り組みはどのように行われていますでしょうか。市町村との協働、NPOの設立など、具体的な行動に結びつけるフォローアップは欠かせないと思いますが、今後の取組や課題について県民生活部長にお伺いいたします。(5)

(6) 政治入門塾

地域課題の解決には自治会や行政マン、議員の存在は欠かせません。新・ももたろう未来塾で、小野市のような政治入門塾を検討していただきたいですがいかがでしょうか。本県でも、議員を目指す人が増えたり、自治や政治を身近に感じてもらい、多様な方々が政治にチャレンジしたり、投票率の向上や多様な意見の反映がなされていくのではないかと考えています。その場合、例えば塾長である知事に加え議員や部長を講師として活用してはいかがかと思います。県民生活部長のご所見を伺います。(6)

3 定員内不合格について

国の定員内不合格に関する調査では、2022年の入学者選抜における定員内不合格者数は全国で1,631名で、岡山県では57名と発表されています。
高校の教職員の配置は定員確保を前提とした予算措置であるにも関わらず、定員に空きがあるのに不合格としているのが本県の現状です。
全国では、東京、神奈川、大阪、滋賀県などで定員内不合格はゼロとなっています。これらの都府県と本県では教育をうける権利に格差が生じている現状に唖然とします。例えば神奈川県では、高校での学びを幅広く提供することは、公立高校の使命のひとつであり、定員内不合格や募集枠を残したままの選抜を実施しないことは考えていないと表明しています。

本県の県立高校の定員内不合格の理由を、高校は「総合的判断」と説明されるようですが、受験生の学ぶ権利を奪っているにも関わらず説明責任を果たしているようには思えません。

障がいのある生徒が不合格とされているケースが存在していることに対して文部科学省はその理由を調査してはいないものの、文部科学省としては「仮に障害のみを理由として入学を認めなかったということはあってはならないと考えている」と明言しています。しかしながら、本県では「学力が足りない」「自立できない」「単位の履修は無理」といった理由で不合格にされ、つらい思いをしてきた生徒がいます。

点の取れないお子さんを優先的に合格させてほしいというわけではありません。車いす生活だったり、知的障害があるといった理由で定員割れであるのに不合格にしないで欲しいのです。

保育園で出会った子どもの中にも何らかの理由で不合格になった子がいます。園児の時には支援の仕方を職員間で共有をし、就学に向けても小学校と細かい情報を伝えてやってきました。小学校でもその子にあった支援を行い、中学校でみんなと同じように学んできています。そのような子どもが義務教育を終えて高校に進学ができないのは中学までに培ってきた同世代のつながりが絶たれてしまう悲しい現実です。通常の高等学校での学びを望むことは許されないのでしょうか。支援学校高等部への進学を望まない、障がいのある生徒は就職もままならず、社会での居場所を失いがちです。教育長は「誰一人取り残されることなく、一人ひとりに応じた学びの場を確保していく」とおっしゃっています。障がいのあるなしや家庭の事情にかかわらず、高校で学びたい学習機会を保障するために、本県教育委員会には更なる尽力をお願いします。学びを提供する側も、教育の幅をより広く持ち学びの確保に努めていただきたいと思います。

(1) 受止め

定員内不合格について県教委としてこの現実をどのように受け止めているのか、教育長のお考えをお聞かせください。(1)

(2) 校長への指導

入学許可候補者の決定は校長の権限でありますが、公教育である県立高校入試における選抜は、募集定員を上回った際に入学者を定員内におさめるための措置であるべきと受け止めています。何らかの理由で「定員内不合格」を出さなければならないと校長が判断した場合、県教委との相談が必要なのではないかと思いますが、県教委はこれまで定員内不合格を出される校長にどのような指導をされてきたのか、教育長にお伺いいたします。(2)

(3) 考え方の見直し

IoT・Industry 4.0の時代において、身体・知的・精神・視覚等の制限から解放されていく社会の実現に向け、大きく時代は切り替わろうとしています。これまでも欧米では、障がい者の視点こそが、極めて重要な役割を果たすとして実践されています。IKEAでは、障がい者にとっても、いかに使いやすい商品であるかが検討され、その結果現在の誰にとっても使いやすく美しいデザインが生まれたと聞いています。また、イームズでは、従来の金属製の添木が戦争中に足を怪我した人達には、とても冷たく使いにくいということで合板での椅子が開発されました。

障がい者の生徒を受け入れることにより、彼らがクラスにいることで当事者の方々の現状や課題を肌で知ることができ、社会的解決を生み出す可能性が増えたり、また商業や工業では彼らがチームとしていることによってできる商品開発やあらゆる制限からの解放に向けた考え方の基盤づくりができ、グローバル社会が求める人材が育つと思います。県教委はPBLに力を入れるとされていますが、そのような視点からも定員内不合格の考え方を見直し、これまでの想像を超える学び場の提供を行っていただきたいと考えますが教育長のご所見を伺います。(3)

4 議員と職員との関係性について

議員に初当選をさせていただき日々勉強をしていますが職員が議員を「先生」と呼んでおられることに違和感を持っています。

先生と呼ばれる始まりは明治時代に秘書が住み込みで議員の世話をし、議員が秘書に政治を教えていたことから先生と呼び始めたといわれています。広辞苑でも先生が議員という定義はなされていません。名前がわからなくても先生と言えば良いから便利だとの意見も散見されますが、改めてこのような呼び方を止めようとする動きも出てきています。

2022年9月21日の大阪府議会の議会運営委員会で提案され、同月28日より議員を先生と呼ぶことをやめることが正式決定されました。この決定について私は共感しています。

決定に至る議論では、議員が先生と呼ばれることは「議員と職員、議員と住民の間に心理的な上下関係を生みやすい」「議員は特別という勘違いを助長することにつながりかねない」との指摘があったと聞いています。

府議会のように、わざわざルール化しなければいけないようなことではないかもしれませんが、この敬称が用いられた経緯や背景を鑑みても、職員の方から先生とよばれることに多少の疑問を感じた議員は、これまでも居たであろうと思います。

海外ではフォーマルな場面で政治や軍の役職、また聖職者が特別な敬称で呼ばれており、TPOに合わせて誰が何の役職や要職か分かるようにしていますが、普段はMr.やMs.等で呼ばれているようです。最近では相手の性別を特定しない際に用いられるMx.も用いられるようになってきていますが、先生に相当するような呼称を普段より議員に使用している事例はありませんでした。

知事、○○部長という役職名で呼ばれるように、○○議員、または議員、○○さんと呼び、呼ばれ、対等な関係性を構築することが重要ではないかと考えています。

府議会の件について、ある記者が「議員に対して敬意を払うことと、おもねることの違いには敏感でありたいと考えている。有権者が先生と呼ぶのはおかしいという意見の一方で、先生と呼ぶにふさわしい議員がいてほしいと望む声もある」との意見をおっしゃっていました。今後も、謙虚さを持ちながら、己を研鑽し、それでも県民の代表者という立場であることの重要性を忘れずに、その責務を果たしてまいりたいと思います。

そこでお尋ねします。大阪府議会での取組の感想も含め、議員と職員との関係性についてどのような認識をお持ちでしょうか。知事にお伺いいたします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次