2年目を迎え、本日3度目の一般質問に立たせていただきました。
3度目の質問は、県議会議員にならせて頂いてからこの1年と数ヶ月の間で人に会い、知って学んだこと、疑問に思ったこと、そこから見つけた課題など、まさに『生の声』を質問に入れています。
私が掲げる『身近な声を県政へ』の気持ちを大切に、地元の皆さんがこれからも元気に地域とつながりをもちながら安心して生活できるよう、今後も地域の代表者として取り組んでいきます。
ご意見などあればお問合わせからコメントをいただけると幸いです。
以下 令和6年6月定例会の一般質問の全文です。
冒頭挨拶
2年目を迎え、3度目の質問の機会をいただきました。保育士の世界から政治の世界に転身し、毎日が学びだけではなく、発見と充実の日々です。保育士も出会いが多い仕事ですが県議会議員にならせていただいた今は保育士では出会うことのない人たちに出会い、お声をかけて頂いて足を運び、地域の話を聞かせてもらうことでみなさんの思いや課題を知ることができ、その中で疑問が生まれ学びがあります。そして地域の皆様の代表者として皆さまからいただいた声をこの場で質問できることに喜びを感じています。これからも自らが掲げた「身近な声を県政へ」の思いと座右の銘でもある「一隅を照らす」の思いを胸に、ぶれることなく私らしく頑張ってまいります。伊原木知事をはじめ、先輩議員の皆様、執行部の皆様2年目も引き続き、よろしくお願い致します。それでは通告に従いまして質問に入らせていただきます。
1.保育士の確保について
少子化対策において重要である保育士の確保に今年度、たくさんの予算をつけていただきました。とはいえ事業は始まったばかりであり、現在も保育士不足は続いています。現に私の選挙区である津山市・勝田・苫田の保育園を訪問しても聞こえてくる声は保育士が足りなくて困っているというものばかりです。
保育士を確保するために年齢制限を上げて募集した公立保育園もあり、そこに民間保育園で働く保育士が流出して困っているという実態も発生しています。少子化が進んでいるにも関わらず、保育士不足は依然深刻なままです。
令和5年4月1日現在、全国には保育士の養成施設は666施設あり、そのうち本県には21養成施設があります。本県の施設数は全国的にも比較的多く、中四国の中では最も多くなっています。
県下では、毎年1000名程度の養成施設卒業生がおり、そのうち900名程度が保育士資格を取得していますが、有資格者の保育施設への就職率は約6割で、県内の保育施設に限れば約4割に留まっていると聞きます。保育士養成施設が全国的にも比較的多いという本県の優位性をもっと活かすことが、保育士のさらなる確保につながる大事な視点だと考えます。
今議会の知事の提案説明の中で、県保育士・保育所支援センターのコーディネーターを増員し体制の強化を図ったところと述べられており、現在の保育士資格を有するコーディネーター2名を3名に増員したと伺っています。
県保育士・保育所支援センターは、主に、潜在保育士の就業支援と現任保育士の離職防止に取り組んでいます。これまでの潜在保育士の就業支援や現任保育士の離職防止などの取り組みから得られたセンターの様々な知見を活かし、学生に現場の保育士の魅力などを伝えることができるのではないでしょうか。保育士資格を保育現場でちゃんと活かそうと考える学生の増加につながることも期待できますし、保育士を夢見て学ぶ学生がどのように考えているかを知り、県の今後の取り組みに活かす機会にもなると思いますが、今回の体制強化を機会に保育士養成施設に対する出前講座に取り組んでみてはいかがでしょうか。また、県保育士・保育所支援センターと保育士養成施設の連携強化について、今後どのように取り組まれるのか、併せて子ども・福祉部長にお伺いいたします。
2.健康寿命の延伸について
世界の平均寿命は男性が70.8歳で女性が75.9歳です。全国の中で本県の平均寿命は男性が81.9歳で10位、女性が88.29歳で1位です。さらに日本の平均寿命は世界の平均寿命と比べると男性81.5歳で2位、女性86.9歳で1位です。つまり、本県の女性の平均寿命は世界一ということになります。
昭和44年から始まっているサザエさんですが、波平さんは54歳、フネさんは52歳という設定です。今の時代の50代、60代は一昔前に比べるとまだまだ若いなと感じます。
平均寿命が延びることも大切ですが、歳を重ねても元気に生活できる健康寿命が重要です。
健康の秘訣はいろいろなことが考えられますが、私が住む津山市では「こけないからだ体操」に取り組んでいます。こけないからだ体操とは、高知県が発祥の地としていますが、平成16年に津山市が取り入れたものです。そこで高知県の取り組みにプラスの変化をつけて、歌いながらゆっくりとした動きをつけています。歌うことで呼吸ができてゆっくり体を動かし無理なく体を動かします。
津山市では363地区のうち213地区が体操を取り入れ、約3000人の高齢者の方が週に一回集まって元気に活動されています。激しい運動ではないため、膝や足が悪くてもできることや、3か月続けることで足や腰の痛みが改善されたという話もよく聞きます。こけないからだ体操は健康な体づくりだけではなく、心も体も健康になるとして年に1度、大会を行っている地区もあります。
また、各地で60代から80代、90代の方がバレーやグラウンドゴルフを楽しまれている様子を見させてもらうこともあります。体を動かすことはもちろん、声を出して笑うことは健康寿命の秘訣だと思います。週に一度会うことでお互いの様子がわかり、一人で生活している高齢者の方も地域の方とつながり、ふれあうことは健康寿命を伸ばすことには大切なことだと思います。
他の地域での取り組みを知り、それを取り入れるということも楽しみが増える一つです。
こけないからだ体操のような取り組みが県内に広がると、高齢者の方々が楽しみを感じ、いきいきと暮らすことに期待ができます。県として健康寿命延伸のために、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。
3.不登校対策について
2022年度の不登校の小、中学生は全国では約29万9000人で、前の年から22.1%増え、過去最多となりました。すべての児童生徒に占める割合は3.2%で30人に1人は不登校となっています。
このうち本県は3668人で過去最多でした。
どうして学校に行くことができないのかを聞いても、自分でもわからないと答える子が多く、コロナ禍で学校に行くことができなかった状況や、教育機会確保法ができて『学校に行く事がすべてではない。色々な場で多様な学びができる。』という考えが社会に浸透していることが大きく影響していると考えられます。
今は時代が変化し、SNSやYouTubeなどで人とつながることができるため、一人で家にいることに苦痛を感じることが少なく、家から外に連れ出すことも大変だという保護者からの相談が多く寄せられています。親が自分の子どもに対して「学業の遅れ、人とのつながりの減少、今後の人生への不安」を多く抱えられ、お互いにストレスを感じているということも少なくありません。
不登校は、本人の「不安」や「無気力」「友人関係」や「家庭環境」など様々な要因が考えられる中、相談するところがあってもそこまでたどり着けないという現状もあります。
本県は国が策定した対策を踏まえ本県の総合的な対策を取りまとめた「【新岡山県不登校総合対策】OKAYAMA夢につながる学びプロジェクト」を作成し、これまでの様々な不登校対策を整理し、将来の社会的自立を目指すという視点を踏まえ、新たな取組も加えて、実施することとされています。
児童・生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指すため、不登校対策は重要であると考えます。不登校児童生徒一人ひとりの状況に応じた学びの場の確保に努める必要がありますが、まず、学校を誰もが通いたくなる魅力ある場所とはどのような場所と考えているでしょうか。具体的に成功している事例や今後の取組をお聞かせください。また、不登校対策を今後、具体的にどのように進めていくのか、併せて教育長にお伺いします。
4.ひきこもり対策について
不登校からつながる、ひきこもりも増加しています。成績の低下、受験の失敗、職場不適応、障がい、病気などのきっかけとも言われていますが、その背景には「エネルギーの低下」と強い「対人恐怖や集団恐怖」があるといわれています。
社会の中で息苦しさを抱えている当事者や、その御家族の支援の必要性がここ数年各所で取り上げられ、本県においても様々な事業に取り組み始めました。一方で、実態把握に努め、施策を展開したからこそ、支援における課題についても分かってきたことがあります。
まずは、ひきこもりには不登校や学校の中退、就職してからすぐ社会に適応できず離職という若年層特有の課題があり、一度つまずいたらなかなか社会復帰できない日本特有のものがあること。また、本人の発達障害や家族の心身の病気、貧困など複合的要素があること。そして、ひきこもりの長期化により八〇五〇問題と言われる、80代の親が50代の子どもの生活を支えるために経済的にも精神的にも強い負担を請け負う状況。これらの課題解決のため、さらなる支援策を縦横に張り巡らせる必要が出てきました。
そこで、学校や社会にまだ接点を持つことができていない子供・若者に、まずは外に出てきてもらい、誰かとリアルなコミュニケーションを取ってもらう居場所をつくること、相談に来る当事者や御家族が増加しているため、相談支援をするサポーターを養成し増員すること、相談者の必要に応じて御自宅に伺うなど、アウトリーチ型支援の充実、そして、長く社会と接点を持たずにいる高齢化した家族の居場所づくりなどの事業を展開することが必要です。
本県は率先してひきこもり対策の様々な事業を立ち上げてくれていると思っています。ただ、どの事業も、県が直接か、もしくはどこかに委託する形でなければ継続は不可能です。
事業者や支援者の努力や工夫だけではどうにもならず、県が行っているどの事業が欠けても、せっかく前に進んでいける包摂社会の構築、自分の人生と社会の未来を自らの力で切り開くたくましい子ども・若者をつくることができる「おかやま子ども・若者サポートネット」にも逆行をしていきます。
学校の中退や離職直後からの切れ目ない支援こそ、ひきこもりの長期化、高年齢化を防ぐために重要となります。これまで県が行ってきた事業で、実績が大きく上がっている取組については、これからも継続して行政が支えていく必要があると私は考えます。
今後、当事者自らが外に出て過ごしやすい居場所づくりを進めていただきたいと考えますが、本県のひきこもり対策についてどのように進めていこうと考えているのか、保健医療部長のご所見をお聞かせください。
5.愛育委員について
愛育委員は母子保健を中心に、地域住民の健康づくりをすすめるため、行政及び地域の各種団体との連携をはかり、ポランティア精神のもとに活動しています。津山市では任期は2年で、町内会長からの推薦を受けて、愛育委員になります。性別、年齢は問いません。また、愛育委員と栄養委員を兼務しています。
愛育委員の活動については母子保健を中心とした生涯にわたる健康づくりのための活動を、地域や行政等と連携して行なっています。妊産婦や乳幼児訪問、地区育児相談への声かけ、感染症予防への声かけ、健診の勧め、といった「家庭訪問や声かけ」を中心とした活動や、支部では活動報告や研修伝達、今後の活動計画を話し合うなど自主的な活動を行っています。
現在、少子高齢化や核家族化等の進行とともに、地域における人と人とのつながりの希薄化が進み、子育てに対する不安や孤立、高齢者世帯の増加、虐待など様々な問題があります。住み慣れた地域で安心して子育てができるため、また、人と人とがつながり孤立化を防ぐために、今あらためて地域の愛育委員による見守りや声かけ、訪問活動が重要となっています。
愛育委員活動の中心である、きめ細かな声かけや訪問活動の積み重ねは、地域住民の小さな変化に気づき、必要に応じて行政等につなぐことができるとても大切な活動です。その愛育委員、なり手不足だという相談をうけます。地域によっては2年に一度当番制になっているところもあれば、後継者を見つけられないと退任できないなど様々な悩みを抱えられています。
仕事をしている人の負担がないように集まる時間を夜の時間にするなどの工夫をされているところもあり、なり手不足の問題の解決に取り組んでいるところもあります。これまでには、「身近な存在の愛育委員の声かけがあったから健診を受けた」や「子育ての相談も自分からは言い出しにくいから、声をかけてもらえたから相談できた」など、地域の方からのお声を聞くこともありました。
県は愛育委員の役割や現状をどのように捉えていますでしょうか。また、なり手不足の問題に対して、県としてどう取り組んでいくお考えでしょうか。併せて、保健医療部長のご所見をお伺いします。
6.民生委員について
民生委員のなり手不足も全国的な課題となっています。民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、社会奉仕の精神をもって、地域における社会福祉の増進に努める民間の奉仕者です。民生委員は在宅高齢者の生活支援、児童の健全育成、子育て支援、障がい者の自立支援など、幅広い活動範囲を持ち、地域福祉の推進に欠かせない存在です。
しかし、活動範囲が広がるほど仕事が増え、負担感が大きくなるため私生活とのバランスを保つことが難しくなります。近年は1期3年で退任する例も増え、新たななり手が不足している状況です。また知名度の低さや多岐にわたる業務も応募が少ない理由とされています。
なり手不足を解消するためには、民生委員の役割や活動内容を広く知ってもらうために、地域でのPRや啓発活動を行うことが必要です。地域のイベントや集会で活動内容を紹介し、興味を持ってもらえることで知名度向上につながります。新たななり手を募る際に、適切なサポート体制を整え、具体的には、研修やマンツーマン指導を行い、初心者でも安心して活動できる環境を整えることも大切です。
また、負担を軽減するために、活動時間や業務量を適切に調整することが必要で定期的な休暇や労働時間の見直しを検討することも重要です。これらの施策を実施することで、なり手不足を改善できる可能性が高まると考えます。
本格的な長寿社会を迎え、住民一人ひとりが充実した豊かな人生を過ごせる社会の実現に向けて、生涯を通じた健康づくりが重要となっています。
また、孤独の問題や高齢者の身体機能の低下等も問題となっており、受け持ち地区の方々へ気軽に声をかける民生委員の活動は一層大切になると考えています。県として民生委員の課題や活動をどのように捉えていますでしょうか。また、しっかり後押しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。併せて、子ども・福祉部長のご所見をお聞かせください。